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ウタ日記

浮遊することばと追いかけっこ

桜の都

米粒は白生活を覆う白背筋を伸ばすシャツの色は白

 

薄紅は白より淡く匂いをり散る花びらは儚くなりて

 

旅土産手渡せぬままの約束はひと月先の葵祭

 

ずしを抜けろおじに迷い込む正午太陽のおいでおいでする闇

 

君も桜ソメイヨシノにあらずんば桜にあらずとどこかで思えり

 

一本桜しだれ桜の季節まだき練りきりの白抹茶の緑

 

土地の精気にデニムパンツを躊躇せり吹き抜ける風スカートふわり

 

天上より釣られるがごと精気あり上賀茂鳥居二つめくぐる

 

しだれ枝縫うがごとくの蜘蛛の巣に囚われ花びら二枚はいかに

 

右の角直角に折れ路上ル祠のありて水仙花活き


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さいヒト

狭い歩道ビルの谷間に響く声小さなひとたち我先に駆け

 

少子化の時代の宝保育士も子供と共に社会を写す

 

 

生き死ぬ

朝焼けが琵琶湖に浮かぶ水鏡迫り来る野火生き死にを見ゆ

 

熊野路に一歩踏み込みするすると吾溶けゆきて影さえもなく

祭り

鉢巻は揃いのねじり鳶の衆水打つ観衆得意は木遣り

 

足下に手拭い一本落ちており神輿の後れ毛ほつれたように

ヨソラに飛ばせ届かぬおもひ

瑠璃色の空さえざえと震えおりアンテナにひっかかる二日月

 

水面に一滴の波紋ひろがるを吾も歌いたしアンテナの先

 

卵とミルク、そしてバニラ

春浅き夜唐突にカスタードプリンの香り脳内に湧き

夕餉前

レシートを一枚毎に丸めつつ転がす吐息夕餉の匂い

 
ソプラノの声は出ずとも甲高く話す彼女のスカートふわり
 
珈琲を前に溢るることのはにジャズの不定形リズムのゆらぎ
 
米粒の色生活の色それは白身体を紡ぐケミカルも白
 
朝の日の力を両手に受取りし夕餉前には使い果たすも
 
筍を一本糠を少し買い持ち重りの肩片方上げて