ウタ日記

浮遊することばと追いかけっこ

パリパリ、ポリポリ

漬物のない白飯は耐えられぬ我が家のオトコ口を揃えて

 

三年目やっと我が家の味となり手を抜けば駄々をこねる糠床

 

浅漬けに曲がり胡瓜がよく似合う母の畑は今年も元気

 

曲がったり太すぎたりする胡瓜たち吾ピクルスに君浅漬けに

 

浅漬けに曲がり胡瓜がよく似合う母の畑は今年も元気

 

 

父の病

眠る父からのプレゼント水色の誕生石乗せる薬指

 

薬指誕生祝い想い出の水色の石に父の手重ね

 

初雪は肌の上にて水となり凍れる落ち葉滴る涙

 

初雪は肌の上にて水となり指先伝い涙 となりて

 

 

 

昼メシ

チャイム鳴り昼飯時は訪れるエラー音鳴り響く
ラインにも

初めてのビジネスランチは小声にて

待ちかねるランチ否これは昼ごはん弁当箱の塗りの曲げわっぱ

桜の都

米粒は白生活を覆う白背筋を伸ばすシャツの色は白

 

薄紅は白より淡く匂いをり散る花びらは儚くなりて

 

旅土産手渡せぬままの約束はひと月先の葵祭

 

ずしを抜けろおじに迷い込む正午太陽のおいでおいでする闇

 

君も桜ソメイヨシノにあらずんば桜にあらずとどこかで思えり

 

一本桜しだれ桜の季節まだき練りきりの白抹茶の緑

 

土地の精気にデニムパンツを躊躇せり吹き抜ける風スカートふわり

 

天上より釣られるがごと精気あり上賀茂鳥居二つめくぐる

 

しだれ枝縫うがごとくの蜘蛛の巣に囚われ花びら二枚はいかに

 

右の角直角に折れ路上ル祠のありて水仙花活き


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さいヒト

狭い歩道ビルの谷間に響く声小さなひとたち我先に駆け

 

少子化の時代の宝保育士も子供と共に社会を写す

 

 

生き死ぬ

朝焼けが琵琶湖に浮かぶ水鏡迫り来る野火生き死にを見ゆ

 

熊野路に一歩踏み込みするすると吾溶けゆきて影さえもなく

祭り

鉢巻は揃いのねじり鳶の衆水打つ観衆得意は木遣り

 

足下に手拭い一本落ちており神輿の後れ毛ほつれたように