米粒は白生活を覆う白背筋を伸ばすシャツの色は白
薄紅は白より淡く匂いをり散る花びらは儚くなりて
旅土産手渡せぬままの約束はひと月先の葵祭に
ずしを抜けろおじに迷い込む正午太陽のおいでおいでする闇
君も桜ソメイヨシノにあらずんば桜にあらずとどこかで思えり
一本桜しだれ桜の季節まだき練りきりの白抹茶の緑
土地の精気にデニムパンツを躊躇せり吹き抜ける風スカートふわり
天上より釣られるがごと精気あり上賀茂鳥居二つめくぐる
しだれ枝縫うがごとくの蜘蛛の巣に囚われ花びら二枚はいかに
右の角直角に折れ路上ル祠のありて水仙花活き