ウタ日記

浮遊することばと追いかけっこ

キー

ことの葉のあや取りをしてクロスワードパズルを解くキーワードはひとつ

 

願はくばひとつの穴にひとつだけ合う鍵があると信じて生きたし

 

 

 

 

 

 

 

四角く白い

君白き骨になりし日なごり雪今年最後の湯豆腐囲む

 

もろもろと崩れし豆腐食む日々を超えこれからはつるり絹の冷奴

 

揺すられし豆腐のように心もとなき日々を過ぎて今君送り行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隅の会

水さえも飲めぬ父との懐かしの味はこの札幌ラーメン

 

「今日も寒い、花が咲いたよ」そればかり食事を取れぬ父への言葉

ポプラ

萌から銀杏並木はへ黄一色 ブルーが空へ溶け出したのだ

 

赤門の銀杏並木の燃ゆる頃北のポプラは枯れ木になりぬ

 

赤門の銀杏並木が燃える頃吾踏みしめるポプラの落ち葉

 

果てしない夢は努力に花開くトゥーランドットを舞う氷上に

 

果てしない夢は努力の上に咲くトゥーランドットを舞う氷上に

 

宵の月花はうららか隅田川水辺に遊ぶ思い思いに

季節は冬へ

木枯らしに背中を押され駆け込んだ汗の吹き出す車内の常夏

 

日曜の朝手回しで珈琲を挽いていた爪はながくて四角

 

 

 

 

探し物

ああここに忘れた頃にひょっこりと馴染んだ指輪バッグの底に

 

傷まみれ通勤鞄が遺されし父去る実家の居間にポツンと