2015-11-17 まあるいもの あなたとは分かち合えないこの思いテーブルはさみみかん皮むく 昨日から今日へと渡る24時小さなみかんのスジとっている 世界では命の尊厳裂けてゆく蜜柑の皮を剥くがごとくに
2015-10-12 オンガク 二楽章カセットテープは伸びておりリズムゆらゆら無伴奏ソナタ 清みし夜寒さが瞳に入り込む月に憑かれたピエロがひとり 一楽章シンコペーション休符にて揃って息を吐く舞台上(うえ)
2015-09-20 ゆらゆら あの日からゆらゆらと揺れる三半器官余震は未だ続く脳内 揺れたかとダウンライトみつめ居りハッシュタグに地震の文字なし 彼の日まで地震なんか怖くなかった吾のメンタルいつまで揺れる
2015-09-18 街<角> ビルの影曲がればぬるり知らぬ街月冴え冴えと雨上がりの夜 百日紅徐々にしぼみて掌(たなごころ)苦み刺ささりしアイスコーヒー 細やかに裂かれたり百二十八の竹触れ合う白と白き指先