此処かしこ枝にたわわな寒椿半ズボンの膝小僧駆けてくる
花びらの滴る血赤山茶花よ空より射られ側溝染むる
桜花何回卒業しただろう心躍らせ振り切っただろう
紅を引くような未練を抱きつつ薄桃グロス塗りて卒業
無防備な横顔君を忘れまじ「またね」言いそびれて二度と言えない
桜草何かを伝えて咲く花かミルクティー色陽射すベランダに
放たれた言葉は泡に呑まれおり黄金色と深紅の花弁
ピンクちゃんそんな名前を鉢植えにテレビを見つつ一輪咲いたね
とちおとめ今日は安く買い求め帰り路すがら紫陽花芽吹く
春メイクチークはピーチをふんわりと電球のもと色引く綿菓子