父の病
眠る父からのプレゼント水色の誕生石乗せる薬指
薬指誕生祝い想い出の水色の石に父の手重ね
初雪は肌の上にて水となり凍れる落ち葉滴る涙
初雪は肌の上にて水となり指先伝い涙 となりて
生き死ぬ
朝焼けが琵琶湖に浮かぶ水鏡迫り来る野火生き死にを見ゆ
熊野路に一歩踏み込みするすると吾溶けゆきて影さえもなく
祭り
鉢巻は揃いのねじり鳶の衆水打つ観衆得意は木遣り
足下に手拭い一本落ちており神輿の後れ毛ほつれたように
ヨソラに飛ばせ届かぬおもひ
瑠璃色の空さえざえと震えおりアンテナにひっかかる二日月
水面に一滴の波紋ひろがるを吾も歌いたしアンテナの先